少し行列していたが、 「さぞ旨いんだろう」と期待しつつ店に入った。
店内は熱気で少しむせるくらい暑かった。 … コップの水を一気に飲んだ私は、おかわりを貰おうと給水機に向い そこに張り紙があったので、何気なく目をやった。
「この水は、富士の雪解け水をミネラルたっぷり含んだ岩石によって、数百年もの歳月をかけ、ゆっくりゆっくりろ過された天然水です。
当店の麺とスープは富士の天然水をたっぷり使用しております。」
これを読んだ私は、ニ杯目の水も全部飲み干した。
すると、一杯目は全く気付かなかったが、二杯目は凄く口当たりが良く、まるでスポンジに水が染み込むように、私の喉の奥に溶け込んでいった。
「旨い!」
思わず心の中で絶賛した。
当然出されたラーメンも最後の一滴までスープを飲み干し大満足で店を出た。
待てよ。 良く考えると、何故一杯目の水は旨く感じなかったのだろう。
これは心理学用語で「ハロー効果」と呼ぶらしい。
ハロー効果とは、ある対象を評価をする時に、特徴的な一面に影響を受けて、他の特徴についての印象、評価が歪められる現象のこと。
あのスティーブ・ジョブスはこの「ハロー効果」を上手く活用して アップル社のブランディングしをしていたと言う。
考えてみると、無味無臭の水を「旨い!」と絶賛するほど、 そんなに旨くないはず。
店のオヤジはこの事を知っていて、わざわざセルフサービスの給水機に張り紙をしたのだろうか?
そして行列を作るところまで目算していたとでも言うのだろうか?
いずれにしてもアッパレなマーケティングだ。
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